JUGEMテーマ:
育児私は子どもに英語を教えていますが、日本語を子どもたちに受け継いでいくことも、重要だと考えています。
最近、シェイクスピアの『ハムレット』を読んでいますが、日本語に翻訳された『ハムレット』を読むことも、原文を原文のまま味うことも、どちらも素晴らしいと私は思います。
翻訳は難しい作業です。100点満点の翻訳など、あり得ません。
言葉は、「りんご」="apple"のように、イコールで対応しているものもあれば、そうでないものも数多くあるので、ある言語で書かれた内容を、そのままそっくり翻訳することなど、不可能だからです。
原文では、英語ならではの味わいを読みとることができますが、
ただ、翻訳があれば、優れた文学が自分の理解できない言語だった場合でも、多くの人たちに読むチャンスを与えてくれるのです。
そんなことを考えていて、ふと思うのは、日本語を日本語の原文のまま味わえる能力もまた、子どもたちにとって、大切だということです。
最近、日本では、小学校でも英語が始まり、英語教育が注目されていますが、(そんな私も、早期英語教育に大賛成ですが)日本人に生まれたのですから、日本文化としての日本語も大切に守りたいと思います。
日本語の持つ、何とも言えない素晴らしい味わいは、日本語を母国語とする私たちこそが、守っていくべきであり、それを子どもたちにも伝えなければなりません。
極端な話ですが、将来の日本に、英語ばかりを話す、母国語=英語という日が来たとしたら、その時、日本語で書かれた私たちの歴史や、文学や、何もかもが真の意味では理解されなくなってしまうのではないでしょうか?
「昔の人たちはこんな文字を使っていました。」という程度になり、文化や歴史が継承されないのは、残念な気がします。
母国語は日本語、外国語としての英語というように、しっかりと切り分けて、子どもたちに教える必要があります。
日本で、母国語は日本語で、外国語として英語を身近に感じて自由に使えるようになる、そんなイメージです。
言葉は、手段・ツールであるだけでなく、その背景には文化・歴史があるということを忘れてはならないと、『ハムレット』を読んでいて思いました。